2022.05.14
”子宮頸がんワクチン”のキャッチアップ接種について-1
”子宮頸がん”は、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因で発症します。 このウイルスは性的接触により子宮頸部に感染し、持続的に感染することで異形成を生じ、その後一部が癌化することがわかっています。日本では、ほぼ100%に子宮頸がんで高リスクHPVが検出され、その中でもHPV16/18型が50-70%を占めています。
子宮頸がんは年間1,1万人が罹患し、約2,900人が死亡しています。また、20才台から40才台が罹りやすい年齢です。このことにより、”ワクチンによる予防”と”検診による早期発見”の両方が重要です!
”子宮頸がんワクチン”は小学校6年生〜高校1年生の年齢に該当する女性は定期接種です。
それに加えて接種率向上のために、令和7年3月31日までの間、”キャッチアップ接種”が公費で実施されます。キャッチアップ接種の対象者は、平成9年4月2日〜平成18年4月1日生まれの女性です。
ワクチンの種類
① サーバリックス・公費(2価、HPV16, 18)
② ガーダシル・公費(4価、HPV16, 18, 6, 11)
③ シルガード9・自費(9価、HPV16, 18, 31, 33, 45, 52, 58, 6, 11) があります。ガーダシル、シルガード9は子宮頸がんの予防の他に、尖圭コンジローマも予防でき、予防効果はガーダシルは約70%、シルガード9は約90%といわれています。残念ながら現在のところ、シルガード9は公費の対象ではなく、自費になります。
諸外国では、男子へのHPVワクチン接種も推奨され、アメリカ、イギリス、オーストラリアなど20カ国以上で男の子も公費で接種しています。
標準的接種スケジュール(3回接種)
①サーバリックス:2回目は1回目から1ヶ月後、3回目は1回目から6ヶ月後
②ガーダシル、シルガード9:2回目は1回目から2ヶ月後、3回目は1回目から6ヶ月後
接種後の注意
筋肉注射なので、接種時にある程度局所の痛みはあります。接種後の痛みは、他のワクチンと大きく変わらないとされていますが、数日間にわたり筋肉痛が起こることもあります。また希に血管迷走神経反射を起こすことがあり、接種後30分は、保護者と一緒に、院内で静かに座って経過を観察してから帰宅します。
副作用
厚生労働省のHPなどに詳細は掲載されていますが、ワクチン接種と”多様な症状”との因果関係につきまして、国内外の研究グループにより”認められない”との報告があり、日本では”Nagoya study”、全国疫学調査(祖父江班)などの疫学調査も施行されています。
当院でのワクチンの予約
お電話でお受けします。
当日は、保護者と一緒に時間に余裕をもって(接種後30分待機時間あり)来院し、必ず母子手帳、保険証、問診票(記入のうえ)を持参してください。